背中の筋肉をストレッチするなら肩甲骨を満遍なく動かそう!
2017.12.2
背中の筋肉が硬く重だるいからとマッサージをしてもらってもあまり効果を感じない、という方が最近多いようです。
また背中の筋肉はマッサージをすれば解れて、疲労解消や腰痛予防になると思われている方が多いです。
しかし、実は背中だけをマッサージするだけではいけません。
背中よりもまずは状態を上げなくてはいけない部分があるからです。
それは『肩甲骨』。
今回は肩甲骨についてお話します。
スポンサーリンク
背中の筋肉に影響する肩甲骨の役割
下記の動きができて初めて『肩甲骨が動く』と言えます。
- 挙上(肩を上げる)
- 下制(肩を下げる)
- 内転(背中を閉じる、肩甲骨を寄せる)
- 外転(背中を開く、肩甲骨を丸める)
- 上方回旋(腕を上げる)
- 下方回旋(腕を下げる)
腕を回す動作は一見、肩甲骨も動いているよう見えますが、肩関節を動かしている場合が大半です。
それでは肩甲骨周りの筋肉が使われず、腕の筋肉で動かしてしまうと効果が実感できない可能性があります。
このことから、『肩甲骨があまり動かない=筋肉の伸縮性がない』ということになります。
つまり、筋肉の可動域を広げることができれば良いのです。
筋肉は『収縮⇔弛緩』をすることで、伸張幅がある程度は確保されます。
一般の方、アスリートの方もそうですが、肩甲骨の可動域が広がると体の使い方が良くなります。
対して肩甲骨が動かないと腕、首、肩、背中に負担を強いて効率の悪い動作となり、怪我にも繋がります。
ですから、肩甲骨を動かすストレッチは大切なのです。
背中の筋肉に影響する肩甲骨の可動域のチェック
肩甲骨とは、両肩と腕の付け根から背中側にある大きな三角形の骨です。
肩を上下に動かしたり、腕を真っ直ぐ伸ばしたり回したりと、肩や腕を自在に動かすのに必要な骨です。
まず、片方の腕を背中に回します。
そして手の甲を腰の上に軽く置きます。
反対側の手で、背中に回している手の親指以外の指を引っ張ってください。
引っ張った時に
- 腕を背中に回せない
- 腕を背中に回せるが、痛みや違和感があり辛い、痛い
- 腕の位置を正しく背中に回せない
- 腕を引っ張ると痛みや違和感がある
以上の自覚がある場合、肩甲骨周りの筋肉が硬く、可動域が小さくなっているサインです。
また日常の動作の中でも
- 背中のチャックの上げ下ろしや、下着のホックの付け外しに苦労する
- 背中を掻きにくい、洗いにくい
といった場合はかなり硬く、可動域が小さくなってしまっています。
すぐにストレッチで柔らかくしていきましょう。
背中にある肩甲骨周りの筋肉の種類
肩甲骨と繋がる背中や腕などの筋肉は全部でいくつあるかご存知ですか?
①ローテーター・カフ
- 棘下筋
- 棘上筋
- 小円筋
- 肩甲下筋
②烏口突起に付着する筋肉
- 上腕二頭筋(短頭)
- 小胸筋
- 烏口腕筋
③肩甲骨に付着する大きな筋肉
- 僧帽筋
- 三角筋
- 広背筋
④肩甲骨の関節面に付着する筋肉
- 上腕二頭筋(長筋)
- 上腕三頭筋(長頭)
⑤肩甲骨の内側に付着する筋肉
- 大菱形筋
- 小菱形筋
- 前鋸筋
⑥肩甲骨上角に付着する筋肉
- 肩甲挙筋
⑦肩甲骨下角周辺に付着する筋肉
- 大円筋
⑧頸部と肩甲骨に関する筋肉
- 広頸筋
- 肩甲舌骨筋
なんと、これら19種類の筋肉が肩甲骨周りに付着しています。
これを見て驚きませんか。
すべての筋肉を使うことは難しいと思ってしまう方も多いことでしょう。
しかし、ストレッチのメニューとやり方を間違えなければ、これらは鍛える事は可能なのでご安心ください。
背中を正す肩甲骨のポジション
最後に肩甲骨の正しいポジションのついて説明します。
正しい左右の肩甲骨の距離は7〜8cmほどと言われています。
ただ、正直この肩甲骨の距離に関しては自分では測る術がなく分かりません。
そこで必要になってくるのが肩甲骨付着の筋肉の柔軟性です。
大抵は肩甲骨の距離が離れていき、硬くなってしまっている方が多いです。
近づき過ぎて硬いという人はまずいません。
寄せてみて、左右差を感じた方は歪みが生じているかもしれません。
肩甲骨とは肋骨の上をすべるように背中に乗っかていて、腕とつながっています。
この肩甲骨が外側にすべって本来あるべきポジションから外側にずれてしまうと、腕は前方へと押し出されます。
そうなることで背筋は丸くなってしまうのです。
猫背で肩が内巻きになって悩んでいる方も多いのですが、肩のポジションは肩甲骨が決めると言っても過言ではありません。
この後のストレッチで正しい位置へと導きましょう。
肩甲骨ストレッチで背中がスッキリ バックプルエルボムーブの流れ
今回はバックプルエルボムーブという、肩甲骨のストレッチ、今回は2人1組でストレッチを行います。
まず椅子に座ってください。
少し浅めに座って、両肘を曲げて手のひらを上に向けます。
肘と手のひらが水平になるようにします。
またサポーターは椅子に足を乗せてください。
サポーターは相手の背中に軽く膝を当ててください。
そうしたら両肘を真後ろに引きます。
そこからサポーターは手で肘を持って、さらに肘を引いてあげましょう。
この時に手が下に下がりやすくなります。
肘と手は水平のままキープしてください。
10回連続で後ろに引いていきます。
膝を相手の背骨に当てることにより、肘を引いた時にストレッチされている方の背筋が伸びやすくなります。
肘を引く動作だけなので、1人でも肩甲骨のストレッチはできますが、サポーターがさらに肘を引くことにより可動域が更に広がります。
バックプルエルボムーブのポイント/回数・タイミング
バックプルエルボムーブを行う上でのポイント
肩甲骨を背骨に寄せることで肩甲骨のポジションを正すことができます。
みぞおちを突き上げるのもポイントです。
回数・タイミング
10回1セットを基本として1日3セット。
まとめて少しの休憩を挟みながらでもいいですが、朝起きて1セット、お昼休みに1セット、お風呂上がりに1セットといったように分けて行うとより効果的です。
ストレッチ目的/強度/ターゲット
目的
肩甲骨可動域拡大。
肩甲骨周りの筋肉ストレッチ。
姿勢改善/矯正。
運動強度☆☆
ストレッチがあまり得意ではない、運動を定期的に行っていない方向け。
このようなお悩みがある方
- 肩こりで悩まれている方
- 背中に疲労を抱えている方
- 肩が前に出た巻き込み肩になっている方
- 呼吸が浅くストレスを溜めやすい方
- 猫背を治したい方
ストレッチは以下のことを守って進めてください。
【ストレッチ動画No.193】バックプルエルボムーブで背中の筋肉が目覚めだす
背中の筋肉は錆びつきやすい!ストレッチはサボれない!
今回は背中の筋肉に多大な影響を及ぼす肩甲骨の在り方についてお話しました。
皆さんの肩甲骨は正しく機能していますか。
していないと少しでも思ったら、今回紹介したストレッチを1人でも良いので毎日3セット続けてみてください。
背中の感覚が変わってくるのが分かるでしょうし、姿勢も合わせて良くなっていきます。
是非お試しください。
- 未分類